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キッチンで楽しもう!

長い間、住空間に関する仕事に携わってきましたが、新築でもリフォームでもキッチンに関しては、どなたも思い入れがあるようです。「台所は女の城」といっていたのは昔の話で、今は男性も台所に立つのは当たり前という考え方が定着しつつあります。

住まいが洋風になり、暮らし方が変わるにつれ「台所」が表舞台に出てきて、「キッチン」になり、食事をする場であるダイニング、そしてくつろぐ空間としてのリビングの境がなくなってきました。設計としての仕事上、面積計算をしなければならない時に、どこまでをキッチンとして、ダイニングはどこからにしようかな?等と考え込んでしまう時がありました(自分で計画したプランですが)。

キッチン空間を独立型にして調理ということに主眼をおくか、調理をコミュニケーションのひとつと捉えてオープンにするかは、それぞれの考え方ですが、今回はオープンなキッチンについて考えてみたいと思います。

 

私が携わらせていただいたお宅で一番多かったのは、対面型(施工例1)で、次に多いのがアイランド型でした。アイランドとは「島」という意味ですが、調理設備の一部をキッチンの中央に島のように配置して、そこをグルリと回れるようにした型です。

施工例1

 

施工例2は、シンクと加熱調理機器を「島」にしてダイニングテーブルを付けました。こちらでは、お子様達も調理作業に加わるそうで、ワイワイしながら作業をしている姿が目に浮かびます。このスタイルを成功させるカギは、それぞれの距離と収納計画です。ここのお宅は食器収納棚の裏側に食品庫を兼ねた収納スペースを設けました。

施工例2

 

施工例3もアイランド型ですが、ダイニングテーブルはキッチンの長手方向に並べる計画です(この時は、まだテーブルを購入していませんでした)。キッチンをグルリと回れないと思われるかもしれませんが、料理をすぐテーブルに出せるし、片付けもしやすいということでこの型になりました。若いご夫婦でしたが、今はお子様も生まれて、仕事や育児と家事に毎日いそがしいそうです。

施工例3

 

施工例4は、壁側にキッチンがすでに設置してあるI型配列のマンションです。家具の配置を相談された時に、キッチンの作業スペースが狭いという話が出て、収納を兼ねた作業台をアイランドのように配置した例です。

私は、アイランド型は高齢になっても使いやすいのではないかと考えています。動線を短くできるし、大きめなテーブルを付けて、そこで何でもできるようなスペースは魅力的です。

 

食生活は、時代と共に変化していきますが、今後はどんなキッチンスペースになっていくのだろうかと想像しています。

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